常識にとらわれないことが大事 (教育従事者のぼやき)

Hi! まむばるです!

今回は私たちがいかに「常識 (育ってきた環境,地域,などのバックグラウンド)」に依存しているかについて,
言及したいと思います.

良い方向で常識を裏切ってくれること

私は,専門学校で教員をしていますが,授業のなかで
なんて私は凝り固まった解答だったのかと思い知らされることが良くあります.

プログラミングの授業では,「○○を実装せよ」と問を作るが,
その答えは教員サイドで事前に作成している.

しかし,若い学生の柔軟な考えにハッとさせられ,「なるほどその考え方もあるなぁ」と関心することが多いです.
やはり,「常識」的な考えに基づいて生きてしまっているなぁと感じます.
その都度,もっと柔軟に柔軟に,と自分に言い聞かせるようにして,凝り固まってしまわないように考えています.

悪い方向に常識を裏切ってくれること

先述のとおり,私は専門学校教員をしているが,
私の持っている常識を悪い方向に裏切ってくれることもあります.

例えば,以下のようなケースです.

  1. 授業に欠席する際の言い訳として「寝てました」.という言い訳をする学生
    まぁ寝ることは悪くないのですが,今15:00ですけれども…みたいなケース
    あえてお伝えしますと,20歳を超えた学生が小学生みたいな言い訳しか思いつかないという事実.
    もっとユーモアをきかせてくれるとまだ救いようはあるのですが…

  2. 分からない授業は,分からない教員と学校の責任であるという世界線をもつ学生
    私はIT系の授業を担当することが多いのですが,難易度の高い授業も受け持ちます.
    授業内容が難しいのは,教員である私は分かっています.しかし,理解しようとする学生は見捨てないように
    その中でどう伝えれば伝わるか,ということを多く考えて,授業を構成します.
    そして,全体の授業理解度を見て,授業の難易度を変えていきます.
    学生からの授業アンケートでようやく4.8/5の授業満足度を定常的にいただけるようになりました.
    高校ではつまづいていた,偏差値40代だった学生たちの分かった!という顔がなんとも嬉しいものです.
    だから教員は辞められないと思います.

    しかしその反面,そもそも授業への理解をしようとしない学生もいます.分からないことは他人が悪いという考え方のようです.
    親御さんから学校にクレームが入りました.(20歳を超えた親御さんからクレームが入ることは少ないです.そのため,何事かと思いました.)
    「うちの子が授業をわからないのはあなた・学校の授業が悪い」怒鳴りつけるような声が電話口に響きます.
    確かに授業内容がわからないというのは私の努力不足もあるでしょう.
    ただ,授業の中で「居眠り,課題を出さない,教科書を持ってこない」など何一つ分かろうとする努力もしない学生です.寝る間も惜しんで授業の準備を行っている私としては,イラっとしてしまいます.
    でもそれが,今までの常識として育っているのです.そこを理解しないまま,学生に説教したところで意味がありません.
    私たちはわからないことがあれば,できるだけ教科書にかじりつき,必死に勉強していました.ただ,それが普通の常識として,自分のまわりの環境で行われていたからです.偏差値50以上ならその環境が「常識」になります.
    しかし,分からないことが50%を超える状態が「常識」として成長してきた学生にその常識は通用しません.
    まずはそこから理解を深めようと思うようにようやくなれた教員5年目の出来事でした.
    未来の見えない暗闇の中を歩んできた気持ちを理解してあげないと,見えてこないものがあります.

    私は「底辺」という言葉はあまり好きではありません.しかし,事実としてそこから這いつくばって生きている者がいることは忘れてはいけません.綺麗ごとではない,肌身で感じた実体験がそう物語っています.

私たちは往々にして,「常識」にとらわれて生きています.心理学者レヴィンもそういっていました.
「当たり前」が通用しないことは私たちが一番理解しておかなければなりません.
いままで見えなかったものは存在しないのではなく,気付いていないだけです.

1つ1つの事象を理解して,多くの見えないものを見ようとしない限りは気づくことすらありません.