Hi! mumvallです!
教育者として,勤めて5年が過ぎようとしています.
良く悩むのが児童・生徒・学生たちと「深くかかわるべきか」,「放任すべきか」ということです.
正直なところ,二極論的に解を求めようとすること自体が間違っているのですが,
この2択で考えてみたいと思います.
Contents
「放任主義」は悪い意味でとらえられがち
私は,児童・生徒・学生たちと「深くかかわるべきか」,「放任すべきか」という問に対して,
「放任すべき」だと考えています.
放任と聞くと,悪いこと.怠慢・怠惰であると考えられることがあります.しかし,そのようなことはありません.
教育の本質を考えれば,「教師がいなくても自分で考え,行動していける子」を社会に輩出することだと思います.
近年の教育の流れは,「手取り足取りすべてを教えていこう」「多様性を認め,その多様性に教師側が合わせるように努力していこう」といったものになってきていると思います.
それが,児童・生徒・学生たちにとって良いことがどうかということを再考すべきと考えています.
はっきり申し上げて,「温室育ち」を量産するだけで,社会で淘汰されていく人材を輩出していませんか.
ただし,「Active Learning」を推し進めていこうとする動きには賛同しています.「Active Learning」は児童・生徒・学生たちが主体的に考えて行動できることを目的とし,教師側に解が存在しないという前提で行われるものです.
親から自己決定について否定されたことはない
私は,フリーターとニートの子です.貧乏家系であり,常に家計が火の車である状態を感じながら育ちました.
そんななかでも,育ててくれた両親には感謝しています.
「貧乏の子」は荒れたり,DQNとなってしまうという考えがありますが,荒れずに普通に成長してこられたのは特に母のおかげだと思っています.
「勉強しなさい」「その進路はやめなさい」という言葉を両親からかけられた人は多いと思います.私は,この言葉は両親から言われたことはありません.
(ちなみに私はめちゃめちゃ勉強できたわけでも,達観した考え方を持っていた子供ではありませんでした)
私も,弟もそのようななかで育ちました.なにも言われないから,自分で考える.これが前提としてずっと成長してきました.
大学受験のときの話ですが,私も弟も私学を一切受験していません.
それは,うちの家系で私立大学にいくことはできないと考えていたからです.親から何か言われたことはありません.
「自分が好きなようにしたらええやん.間違っていたらしゃーない.自分でやり直したらええやん.」ある意味楽観主義ですが,
これは,「子どもに選択権を与え,その責任は自分自身に帰属する」ということを実現してくれていました.
自分で考えることで子ども自ら成長をすることができる環境がいかに重要かが大事だと思いました.
余談ですが,私は結果,国公立大学受験に失敗し,専門学校へ進学するわけですがw,弟は国公立大学を首席で卒業しました.
この経験から,私は「放任主義は自ら考えさせる手段である」と考えがあります.
放任主義はただ放置するだけではない
放任主義は「何もしない」と考えられますが,そういうことではありません.
先述の通り,自分で考えさせる必要があります.その機会を与えることは大事です.合わせて,その方向に進んだときのメリット・リスクを問うて,正しく知識を与えることは大事です.
(これは押しつけではありません,あくまで知識教示であり,選択権は剥奪していません)
そのため,「~しなさい」ではなく,「~はどう思う?」といった考える土壌を育てる必要があります.一人ひとりの人格を認め,決定権を与える.これは幼少期教育でしか,育ちません.ハタチ前後の子たちを教育しますが,育ってきたバックグラウンドが染みついていますので,オーバーライドすることは絶対にできないのです.
押し付けや抑圧はどうせ発散します.過干渉の親にありがちですが,荒れてしまうか,精神疾患を患うか,といった状態になってしまうことが多いです.
こうなってしまっては修復は困難です.教育はその子供が生きやすいものにしてあげなければならないのに,生きにくくしてどないすんねん.といつもつっこみを入れています.
そういった親はプライドが高いですから,進学先・就職先などにも自分を意見を押し付け,世間体を気にして子を追い込んでいきます.そんなやつ親としてどうなのよ.とこう思うわけです.別に人の家の教育方針に文句を言おうとは思いません.ただ,自分が関わることができた子が苦しんでいる姿は見てられません.はっきりいってクソ毒親は早く消えてほしい.とその子に共感します.
しかし,これらの現象は継承され,引き継がれ,その家系で育った子供は自分の子供にも同じようにしてしまいます.負の連鎖ですね.本当にどこかで断ち切ってもらいたいです.
教育はフィードバックが遅く,修正しにくい
教育者や子を持つ親であれば,共感いただけると思いますが,教育方針を決め,進めていったとしても,
それがどれだけ,結果につながったのかという因果関係は把握できません.できたとしても数年や数十年先のことでしょう.
独立変数が定まらない以上,そこを分析しようとしても意味がありません.
だから,子が育っていく過程で修正を行うことが難しいでしょう.
ただ,過去の統計から考えることはできます.
私は多くの学生たちを事例としてみることができました.その経験から,お伝えします.
「過干渉」悪,「放任」善,これだけは確実です.(もう一度言いますが,2極論ではありませんよ)
皆さんも児童・生徒・学生さんやお子さんに考えさせるようにしてみましょう.決して押し付けてはいけません.
適応障害や双極性障害に苦しんでいる子たちの多くは親が原因ですからね.